アンバサダー座談会 Vol.2
NPOのDXを支える専門家が語る。
実務を加速させる「kintone×じぶんシリーズ」の活用術
2026.08.21
NPOの「あるある課題」を、kintone×じぶんシリーズはどう解決する?
本記事では、NPO・非営利セクターでkintoneとじぶんシリーズの導入を数多く手がけてきたアンバサダー2名に、現場のリアルな課題と具体的な解決パターンを聞きました。
話し手

北村さん
NPO業界で15年以上にわたりkintone導入を支援。累計数十団体の導入実績を持つ、NPO×kintoneの第一人者。

琴絵さん
kintoneとじぶんシリーズを組み合わせた業務システム構築のスペシャリスト。予約管理やスタッフ管理など、労働集約型事業の一元化に強み。

加賀美
インタビュアー。じぶんシリーズの公式キャラクターのひとり。
NPOの情報管理はなぜバラバラになるのか
NPOのIT化で、一番の課題は何ですか?
圧倒的に「情報の一括管理」ですね。寄付ひとつとっても、クレジットカード決済、クラウドファンディング、物品寄付、銀行振込……受付ルートがバラバラなんです。それぞれ別のサービスを使っていて、全部まとめて「誰がいくら支援してくれたか」を把握できている団体は、ほとんどありません。
しかも管理すべき「人」の種類が多いんですよね。寄付者、ボランティア、サービスの利用者、スタッフ……全部属性が違う。一般企業なら「顧客」と「社員」くらいですけど、NPOは関わる人の層が本当に多様で。
そうなんです。だからCRMを入れようとしても、どの製品もフィットしない。営利企業向けのCRMは「商談」「受注」が前提になっていて、NPOの「寄付管理」「助成金申請」「ボランティア管理」にはそのまま使えないんです。
NPOがkintoneを選ぶ理由 — 柔軟性と低コスト
そこでkintoneが選ばれるのはなぜですか?
自由に項目を作れるからですね。NPOの業務って標準化されていないので、「この団体はこういう項目が必要」というのが全部違う。kintoneなら、現場の業務に合わせてアプリを組めます。
あと、NPO向けの特別ライセンス(チーム応援ライセンス)があって、大人数でも格安で使えるんです。ある中間支援組織さんでは、900ユーザー規模で利用されています。一般企業向けの料金だったら絶対に導入できなかったと思います。
活用事例①:助成金の申請管理をkintone+じぶんフォームで構築
具体的にどんな使い方をしているんですか?
例えば、ある全国規模の「中間支援組織」さんでの導入事例があります。中間支援組織というのは、いわば「NPOを支援するNPO」のことで、全国各地のNPOを支えるために助成金プログラムや支援事業を運営されている組織です。以前は助成金申請の管理を外部サービスや業者に業務委託されていたのですが、その契約終了のタイミングで「自分たちの意思や業務フローに合ったプラットフォームを自前で作ろう」という話になりました。そこでkintoneとじぶんフォームを組み合わせ、助成金の申請受付から審査プロセス、採択後の管理まで一気通貫で回せるシステムを構築したんです。
自分たちの意思を柔軟に反映できるシステムを持てるって、組織にとってすごく大きなメリットですよね。外部パッケージや完全委託だと「ここを少し変更したい」「審査フローをこう変えたい」と思っても、仕様の壁や追加コストがかかってなかなか通りませんから。
まさにそれなんです。経営や事業の意思決定を直接システムに反映できるようになり、業務の自由度とスピードが格段に上がったことが一番大きな変化でした。さらに、申請受付口としてのじぶんフォームだけでなく、申請側のNPO団体に対して個別確認や状況案内をする際にじぶんレコードを組み合わせる手法も非常に有効です。従来の専用システムをゼロから開発・契約するのに比べ、圧倒的な低コストと柔軟性を両立できます。
中間支援組織って、各都道府県や地域にそれぞれ存在しますよね。助成金事業の業務フローはある程度共通している部分も多いので、「kintone×じぶんシリーズ」の仕組みは他の地域組織にも横展開しやすいモデルですね。
はい。中間支援組織は組織としての財務基盤が比較的しっかりしているケースも多く、団体の支援基盤となる価値あるシステムであれば積極的に導入を進めやすいという特徴もあります。この成功パターンを全国の中間支援組織へ横展開していくことで、NPO業界全体のデジタル化を加速させられると考えています。

利用されているじぶんシリーズ:じぶんフォーム・じぶんレコード
活用事例②:家事代行NPOの会員登録〜給与管理・セキュアな情報共有までを一元化
他にも横展開できそうなNPOの事例はありますか?
家事代行やベビーシッター事業を運営しているNPOさんの事例が非常にわかりやすいですね。この事業者さんは自治体からの委託業務も請け負っており、サービスを利用する「利用者さん」と、実際に現場へ赴く「訪問スタッフ(シッターさん)」という2つの属性(二層構造)を同時に管理する必要がありました。
利用者とスタッフの両方を管理するのは、運用面でもかなり複雑そうですね。
そうなんです。そこで「じぶんフォーム」と「じぶんレコード」、そして「kintone」を組み合わせて、一連の業務フローを一気通貫で完結できる仕組みを構築しました。具体的には次のような流れで管理しています。
①会員登録・予約 — 利用者さんからの新規会員登録やサービス予約を「じぶんフォーム」で受け付け、データはリアルタイムにkintoneへ格納されます。
②スタッフのシフト・出勤管理 — 登録された予約情報に対してスタッフのシフトをマッチングし、出動スケジュールをkintone上で一元管理します。
③現場での情報共有 — 訪問するシッターさんへ利用者情報(お子様の情報や注意事項など)を共有する際に「じぶんレコード」を活用します。
④業務報告 — シッターさんの訪問後の作業完了報告や出動記録も「じぶんフォーム」から入力してもらい、データが自動でkintoneに蓄積されます。
⑤給与明細データ生成 — 蓄積された出勤記録や勤務実績から、最終的に社労士さんに渡す給与明細用の情報出力までkintone上で自動生成できるようにしています。
会員登録から現場の報告、最後の給与連携まで全部繋がっているのはすごいですね!アプリ構成はどれくらいの規模なんですか?
アプリ数でいうと9個ほどですね。利用者側とスタッフ側の両方を管理する二層構造になっていますが、データ連携の流れ自体は非常にシンプルです。
現場に行くスタッフさんにkintoneアカウントを全員分払い出すとなるとコストが膨らんでしまいますが、「じぶんフォーム」や「じぶんレコード」を使えばアカウント数を抑えつつセキュリティも確保できるのが素晴らしいポイントですね。

NPO業界において、個人情報やセキュリティに対する意識はどのような状況でしょうか?
実は、一般的な営利企業以上にシビアなケースが多いです。例えば、今回のような自治体から委託を受けてベビーシッターや家事支援スタッフを派遣する事業が典型ですね。派遣先の家庭にはお子さんやご家族の個人情報、あるいは訪問時の注意事項といった機密情報があります。これらを現場のシッターさんやスタッフに共有する必要がありますが、関係者全員にkintoneのアカウントを払い出して見せるのは、コスト面でも権限管理の面でも現実的ではありません。
かといって、紙で持ち歩いたりメールやチャットで直接送ったりするのも漏洩のリスクがありますよね。
まさにそこが課題でした。訪問が終わった後も情報が見られる状態のまま残ってしまうのは大問題ですし、自治体からのセキュリティ要件も満たせません。そこで解決策として導入したのが「じぶんレコード」です。
具体的にはどのように情報を共有されているのですか?
kintone内の案件データから「じぶんレコード」の専用URLを自動発行し、訪問するシッターさんに共有します。この仕組みのポイントは以下の3点です。
①必要な項目のみに絞って表示 — 不要な個人情報や管理用データは見せません。
②パスワード保護 — 関係者以外はアクセスできません。
③期間限定アクセス — 「訪問期間中だけ」見られるようにし、終了後はアクセス不可になります。
訪問が終われば自動で閲覧できなくなる。自治体レベルの厳しい個人情報保護基準・セキュリティ要件も問題なくクリアできました。
「必要な人に、必要な情報だけを、必要な期間だけ見せる」という制御ができるのはじぶんレコードの強みですよね!
そうなんです。さらにこの「外部への仕事委託・派遣×シフト・業務報告×バックオフィス管理」という構造は、家事代行だけでなく、フリースクールや塾、訪問サポート、外部講師を抱えるスクール事業など、いわゆる労働集約型の事業であればほぼそのまま横展開できるモデルだと思います。
利用されているじぶんシリーズ:じぶんフォーム・じぶんレコード
AI時代にこそ「プロが作ったkintoneパッケージ」が求められる
最近はAIでシステムが作れるという話もありますが、どう見ていますか?
市民開発が進むのは良いことだと思います。ただ、正直なところ、セキュリティやデータベース設計はAIだけでは不十分なことが多い。特に個人情報を扱うNPOでは、設計ミスが致命的になりかねません。
私も同じ意見ですね。AIで「動くもの」は作れても、「安全に運用できるもの」はまた別の話。むしろAI時代だからこそ、プロが作ったパッケージをベースにして、そこからカスタマイズするという流れになるんじゃないかと思っています。
そうそう。ゼロから作るんじゃなくて、実績のあるパッケージをアレンジする。そのほうが速いし、安全だし、結果的にコストも下がる。
NPOのkintone活用、これからの展望
今後の展望を教えてください。
まだまだNPO業界にkintoneの存在が十分に浸透していないのが現実です。15年やってきても、「何ができるのか分からない」という声を聞きます。だからこそ、具体的な事例をもっと発信していきたい。「うちと同じような団体でこう使っている」という情報が、一番導入の後押しになるんです。
私はパッケージの横展開ですね。労働集約型の事業って、業界が違っても業務の流れは似ている。そこにじぶんシリーズを組み合わせたパッケージを提案していきたいです。あと、実はこうやってお互いの事例を話すこと自体がすごく勉強になるんですよ。「あ、そういう使い方があるのか」って。
本当にそうですね。こういう場をもっと作って、それ自体をコンテンツとして発信できたらいいなと思います。
まとめ:NPOの業務改善にkintone×じぶんシリーズが効く3つの理由
- 柔軟な項目設計で、団体ごとに異なる業務フローに対応できる
- チーム応援ライセンスにより、大人数でも低コストで導入できる(サイボウズ NPO支援プログラム)
- じぶんフォーム・じぶんレコードとの連携で、外部向けの申請受付や情報共有もkintone上で完結する
※kintoneの「チーム応援ライセンス」をご利用いただいているお客様には、40%引きで提供させていただきます。
NPOの情報管理にお悩みの方は、ぜひじぶんシリーズの活用をご検討ください。
NPO法人の導入事例
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